「なにやつ!」それは忍びだった。しまった。集落攻めのことを聞かれた。逃げられるわけにはいかない。幸いこの屋敷は「忍び固め」といわれる忍者殺しのつくりになっている。この部屋から逃げるとなれば、息つく先は一つしかない。主人は家来を連れて先回りすることにする。
予想に反してその忍者はすでについていた。しかし、早かろうが遅かろうがどちらでもよかった。ここは袋小路、逃げ道はない。秘密は外に漏れることはなさそうだ。「やれい!」号令をかけたその時、忍びは煙に包まれた。「ひるむな、行けい!」主人の声が響く。家来たちの剣には手ごたえがあった。
しばらくすると視界は晴れ、そこには忍び装束の死体がひとつ。主人は家来に死体の片付けを命じ、馬小屋へ行き。馬を出した。門番には大事な用があるので今から出かけると伝えた。家来にはついてこないように命じていた。
馬を駆けているのは主人ではなく、忍びだった。家来たちが片付けているのが主人の死体だったのだ。煙に包まれたときに入れ替わっていたのだ。
何が「忍び固め」だ。なにもコソコソ逃げるだけが忍びではないわ、と思ったか思っていないのかもしれないが。その忍びは夜の闇に消えた。
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